▲80年以上続いた歴史的な呉服店。
巻尺で量れば9メートル35センチ。高松丸亀町商店街でおよそ一番広いその間口は老舗の呉服店「富屋」さん。初めて訪れた時はまだ廃業前で、品の良い奥様とひとことふたこと交わしては心地良くしみついた絹布の香りに平穏としたものです。きっとこの店で多くの人が笑顔や喜びを交わしお買い物をしていたのでしょう。そんな記憶も鮮やかによみがえります。「あの…こちらのお店をぜひお借りして良いお店を作りたいのです…」わたしの唐突なお願いにその場はお互い閉口してしまいました。しばらくしてその後、様々ないきさつや街の皆様のご協力やそして何より奥様の好意もあって、この跡地に私たちFRAUの高松店は生まれることとなりました。長く続いた店には良い空気が流れています。そんな店の記憶をたどるように大切なお店つくりをしてゆきたいと思います。