ガラガラッとあいたシャッターにトラックがドーン。さて解体作業がすすむ店舗はみるみる資材が撤去されます。
こちらは昔の建築図面。ビルはずいぶん昔に作られたものですが当時かなり斬新でかつ立派なものだったのでしょう。(図の赤いラインが現在のアーケード天井なのです)
「おやおや。」あらためてじっと見ると古いものが持つおもしろい景色が。こちらは躯体のモルタルにきれいな杢目がついています。「どんなふうに作ったのだろう?」
「こうだよ!」と設計のAKIHIROさんが図を描いて説明してくれる。でもやっぱり30%しか分からない…。
「こっ、これはっ!?」古いブレーカーはフランケンシュタインが蘇るスイッチのようだ。
さて私の住む神戸は古いものを大事にするカルチャーあって、古いものと新しいものを上手にミックスした様式のショップもよく見かけます。なので今香川のこの店の煉瓦積の暖炉や漆喰で塗られた押入れの内部。板をそのまま使った下地や明りとりの天窓など今では作れない古き良きものにトキメイてしまいます。
そしてわたしが一番トキメイた部材がこちら!
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古いアンティークガラスの扉。硝子は小さなピラミットが連続する市松模様の立体で光を当てるとそのファセットがキラキラ輝いてきれい。「まるでパヴェセッティングのダイヤモンドリングみたい!」
この店は香川高松で有名だった呉服店。その伝統に敬意をこめて、私はこのガラスを店の一部に使い留めておこうと思います。かつてのお店の記憶はお守りなのです。